JAグループ福島・JA全農福島は、お米のおいしさを追求する「極上のふくしま米」づくりへの取り組みを平成25年度から展開。「新たな米戦略」に基づくこの品質向上運動では、品質目標を設定し、基本技術の励行や栽培技術の改善、放射性物質抑制対策の徹底などを進めてきた。
県内には、この運動を実践する展示ほ場のほか、食味ランキング「特A」産地回復に向けた食味展示ほ場、県オリジナル品種「天のつぶ」普及展示ほ場が設けられている。
会津地方のJA会津みどりでは、品質向上と産米ブランド回復を目的とする「美味しい米コンクール」を開催。管内30ヶ所にコンクールほ場を設け、1次審査で品質と食味、2次審査で食味官能試験を行い、上位3名を表彰する。9月22日には、同JAの長谷川正市組合長、高畑三則専務がほ場を巡回。「今年は稲の姿・色がとても良い。粒張りの良い米がとれそう。稔りが良いので、粒も大きい。たとえ天候が悪い年であっても食味ランキング『特A』は取りたい。そのためには、適期刈り取りが大切」と長谷川組合長は話す。
中通り地方のJAみちのく安達では、「極上福島米おいしいお米コンクール」に取り組む。このコンクールの目的は、「日本有数の極上食味を目指し、食味向上の生産技術の確立。コシヒカリ・天のつぶなどを中心に約70名の生産者が参加。審査は4次まであり、上位10名を「みちのく安達お米の達人」に認定。この米は、県内卸を経て生協などで販売されるほか、JA直売所でも取り扱われる。
浜通り地方のJAそうまは、天のつぶに対し、「倒伏しにくく作りやすく、いもち病にも強い。米どころ福島のブランド米に育てたい」と期待する。JA管内には、極上福島米・天のつぶ普及展示ほ場が5ヶ所ある。
相馬市内の生産者・武島竜太さん(49)は、天のつぶを栽培して今年で2年目。その水田の一部(20アール)は展示ほ場となっている。武島さんの作付けは、コシヒカリ8ヘクタール、ひとめぼれ5ヘクタール、天のつぶ3ヘクタール。このほか、10ヘクタールの作業受託面積がある。
相馬市の南に位置する南相馬市ではこの2年間、米の栽培が行われなかった。しかし、今年は122ヘクタールで実証田として作付け。2年分の雑草がすき込まれた水田では、窒素分が多くなり稲が倒伏しやすいので、JAでは短稈で倒伏しにくい天のつぶの作付けに力を入れている。
JA会津みどりの長谷川組合長(左)と高畑専務。後ろはコンクール出品ほ場 |
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