風評被害の影響で福島米の取り扱いを取り止める小売店がある一方、「がんばろう、ふくしま!」の応援団として、販売を継続する店舗もある。
東京・北千住の小堀米店(足立区千住旭町、小堀正行代表)は、昭和60年頃から、区内の小売店10店で伊達市の旧梁川町東大枝地区(JA伊達みらい)のコシヒカリを産地指定し、こだわり米として取り扱ってきた。会の名称は「やながわ会」、商品名は「やながわのコシヒカリ」。店内では、「がんばろう、ふくしま!応援店」の垂れ幕と24年産全袋検査の写真パネルを掲載している。
「昭和63年の秋、産地視察で訪れたのがきっかけ。それまで福島コシヒカリはおいしいと聞いていたが、取扱店は少なかった。試食してみると、色つや・甘さ・食感などが十分。良食味米への熱心な取り組み・積極性を感じ、こだわり米として扱かった」と小堀代表。
「やながわ会」では従来、年間2000俵程度を取り扱っていた。しかし、東日本大震災で、22年産米の供給はストップ。23年産米は、産地側の意向で出荷はされなかった。24年産米は、同会で、水田除染対策や全袋検査の視察を行い、安全を確認し例年通りの販売を決めた。
小堀代表は、梁川コシヒカリを「米がきれいであること。炊き上がりを見ても粒揃いが良く軟らかい。ササニシキがコシヒカリ化した食感」と評価する。
小堀米店では、おにぎり・弁当も販売。原料米には震災まで、梁川コシヒカリを産地表示し使用。震災後も、他の産地銘柄と日替わりで販売している。
産地交流は25年あまり。この積み重ねが、福島米の定着化をもたらした。足立区では毎年10月に区民祭を開催するが、JA伊達みらいでは毎年参加し、特産物の即売会を行っている。「やながわ会」でもこれをサポートしている。
「24年産の販売数量の見込みは以前の半分程度だが、おいしいことは分かっているので、少しずつでも販売を回復していきたい。元に戻るには、時間がかかると思うが、自信を持って販売してきたから継続していきたい。今後も、販売支援は変わらない」と小堀代表は話す。 |
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「八重の桜」のポスターとJA伊達みらいからの販促品(桃ジュース缶・ラップ) |
おにぎりの原料米には梁川コシヒカリを産地表示し使用 |
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